映画・テレビ

2007年5月 6日 (日)

『幸福の黄色いハンカチ』

幸福の黄色いハンカチ DVD 幸福の黄色いハンカチ

販売元:松竹
発売日:2005/04/28
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日本映画の金字塔

― 俺の高倉健物語

両親の故郷は夕張だ。
当時、室蘭に住んでいた俺は、夏休みで夕張の街中をオヤジと2人で散歩していた。
まだ、道路には農家の馬車なんかが通り、夏の日差しに熱されたアスファルトには馬の蹄鉄の後がついていて、ついでに馬のクソも落ちていた。

しばらく歩くと、街の一角に数十人の大人が集まっている。でっかい懐中電灯のようなものや見たことの無いでかいカメラや銀色の板、いろいろな変な道具を持った人とそれを取り巻く人だかり。何事だろう?

オヤジは言った。「たかくらけんだ・・・」

ちょうど、そこに大人たちの人だかりを横切る一匹の野良犬。

子供はどうしても大人なんかより動物に興味がいってしまう。

当時、俺は小学2年生で「犬」という漢字は「いぬ」とも読むし「けん」とも読むことを知っていた。

「たかくらけん」ってあの犬のこと?俺は訊いた。

「そうだ」とオヤジは答えた。

親は子供の質問攻めに疲れるといい加減な返事をしてしまうときがある。
特にこんなド田舎で日本の大スターが目の前にいるとなると当然意識はそちらに集中していたはずだ。

俺は「名犬ラッシー」や「フランダースの犬」のような犬感動物語を作っていると勝手に想像した。

ロケの様子は大人の人だかりが多くてよく見えない。

そしてすぐそばに居たはずの人気絶頂のナマ健さんに視線を注ぐことなくその場を跡にしたのだった。倍賞千恵子も居たはずだ。

― それから7,8年後、テレビでこの映画を見た。どこかで見たような光景。あー!あのときの人だかり、この映画を撮っていだんだ!
あの時、オヤジは「高倉犬」じゃなくて「高倉健」と言ったんだ、ということをはじめて理解した。

今にして思えば、あの時の犬は
血が混ざり過ぎてリカオンのようになってしまった汚ねえブチブチ模様の雑種犬、だったような気が。

おれも素直な子供だったんだな。
もったいねえ話だ。

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